さて、今回は、「ブラウザ」の使い方を学んでいきます。

「ブラウザ」とは、作成した様々な形状を階層表示して、扱いやすくしたものです。
階層構造とは、デスクトップでもおなじみのように、
フォルダの中に、フォルダやファイルがあって、目的別や種類別に分けられているものです。
「ブラウザ」とは、その階層構造を見やすく表示するものです。
「ブラウザ」を使うことによって、様々な形状をグループ分けしたり、
作業面で形状を選択するよりも遥かに正確に選択することもできますし、
各形状に名前を付けて区別したり、様々な用途があります。

といっても、「ブラウザ」のみを使ってもなかなか説明しにくいものですので、
この辺で一つ、実際に今までの技術を使って何か形状を作りながら
ブラウザの使い方を学んでいくことにしましょう。

今回用意したイメージは下図の左の図です。

        

最終的には左の図のようになりますが、
材質に関しては次回に扱いますので、今回は右の図のようなものを作ることにします。
タイトルは「街灯」とでもしておきましょうか。
このイメージには、今まで習得した技術がほとんど詰め込まれています。
また、まだ説明していない技術も数ヶ所含まれていますが、
このイメージを作成するのに必要な技術は、第2章で全部終わらせますので、
まずは作れるところまで作っていきながら
「ブラウザウインドウ」の使い方に馴染んでいくようにしましょう。




「ファイルメニュー」から「新規作成」を選び、新規ファイルを開きます。
次に「表示」メニューから「ブラウザ」を開いておきましょう。

まずは、上のイメージの上の方を作っていきます。
どのような形状になっているかというと、

  水色のガラス 立方体(正方形の掃引体)
  ガラス立方体の辺の部分 直方体(長方形の掃引体)
  ガラス立方体の角の部分 立方体(正方形の掃引体)
  支柱部分 円柱(円の掃引体)
  土の部分 平面
  コンクリート部分 直方体(に直方体で穴を開けたもの)

このような内訳になっています。

最初にガラス部分を作ってやると
他の「辺」や「角の立方体」が配置しやすくなるので、
ガラス部分の立方体を最初に作りましょう。

立方体ですので、作業面のどこから描いても変わりません。
上面図から描き始めてみましょう。
ツールから「長方形」を選択し、Shiftキーを押しながらドラッグします。
「長方形」は中心から描くわけではないので、
中心が原点とずれてしまった場合にはツールの「直線移動」で調整します。
「定規」を表示して、大きさを決めてもいいですが、
相対的な大きさがあっていればとくに今回は問題ありません。
以下の図面では1回だけ拡大して描きました。

上面図で、原点を中心とする正方形を描きました。
一辺のグリッド数は14としておきましょう。
これを正面図で「掃引」し、立方体にします。
ツールを選び、正面図で上に向かって14グリッド分ドラッグしましょう。

正面図からみてもこのようになりました。
立方体の完成です。

ここで「ブラウザ」を見てみて下さい。

このように、今作った形状が「閉じた線形状の掃引体」という名前で出てきました。
この名称をダブルクリックすると名前の変更ができますので
「ガラス部分」とでも入力して名前を変更しましょう。



次にこのガラス部分の角に当たる8つの立方体を作ります。
この形状は同じものが8つになりますので、
一つを作ったらコピーしてしまえば簡単ですね。
次回で扱う「表面素材」の事も考えて、8つをまとめて一つのグループとしておくのが賢明です。
そこで、「ブラウザ」の中にグループを作りましょう。
ツールから「パート」を選択すると、新しいパートが作られます。
これがいわゆるフォルダのような役目を果たすもので、
パートの中には、さらにパートを作ることもできますし、様々な形状を入れておくことができます。
では、次に「角の立方体」を作っていきましょう。

立方体は、先に作った大きな立方体をコピーしてもいいですし、
新たに作っても構いません。
ここでは縮小コピーして移動しましょう。
先程作成した形状を選択し、から「均等拡大縮小」を選択し、ドラッグして縮小コピーします。
大きさは、一辺が6グリッドとしましょう。
縮小コピーができたら位置を調節します。
から「直線移動」を選択し、上面図、正面図ともに下図のところとなるよう移動します。

ここでもう一度「ブラウザ」を覗いてみましょう。
現在の形状が「ガラス部分」となっていますね。
これは先ほどの形状をコピーしたからです。
これを先程作成した「パート」の中にドラッグで移動し、「角」と名前を変えましょう。
パートにも名前を付けることができますので、
パートをダブルクリックして、「角パート」としましょう。

さて、角が一つできたので、あと残り7つはコピーしてやれば簡単ですね。
まず「上面図」で残り3つの角にから「直線移動」を選択してコピーしましょう。

     

ドラッグによるコピーの時には、45度を単位に固定することができましたね。
そうです、「Shift」を押しながらドラッグすれば良かったのです。
これを使って、サクサクっとコピーしましょう。
「正面図」でコピーするときには「ブラウザ」上で4つまとめてコピーすると手間が省けます。

次に、「ガラス部分」の辺の部分を作っていきますが、
これは計12本になるので、やはり一つのパートにまとめておくのがいいでしょう。
まずは「ブラウザ」上にから新規パートを作り、「辺パート」と名前を付けます。

では形状を作っていきましょう。
辺に当たる形状は直方体ですので、
正方形を描いてから「掃引」を選んで直方体にします。

        

「上面図」、「正面図」で、上図の位置に正方形を作ります。
「正面図」で、Optionキー(WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして
カーソルのの高さを固定してから「上面図」で正方形を作りましょう。
から「掃引」を選択して、「正面図」で以下のように掃引します。

これで「辺」の一本が完成しました。
「ブラウザ」で「辺」と名称を付けて、「辺パート」に入れておきましょう。
その他の辺はこれをコピーして作成しましょう。

ツールから「直線移動」を選び、「上面図」で上図のようにコピーしましょう。
これも「Shift」キーを押しながらのコピーを有効に使いましょう。
さて、これで「辺」が4本になりました。
この4本をまとめてコピーしていきたいところですが、
先ほどのようにドラッグによるコピーではなく、の「特別」でコピーします。
その前にコピーする前とコピーする後を比較してみましょう。

先ほど作った形状はタテになっている黒い形状で、ヨコになっているのがこれから作りたいところです。
これをの「特別」でコピーするには、どのようにしますか?
「第2章 形状の移動・コピー」でも説明した通り、
「Xの回転のところに数値を入力すると、X軸から見ている作業面で回転させる」
ということを思い出して下さい。
回転の中心となるところをクリックした後に

の「X」の「回転」のところに90と入力してOKをクリックすれば思い通りのところにコピーされます。

万が一、クリックした中心点がずれていたりすると、コピー先もずれてしまいます。
「上面図」「正面図」「側面図」で思い通りのところにいっているか確認してみて下さい。
もしずれていた場合にはから「直線移動」を選択して、微調整します。
うまくコピーできたら、今コピーした形状をさらに「Z軸に対して90度」回転させます。
(トランスフォーメーションウインドウでZの回転のところに90を入力します)

     

「透視図」で見ると、上の左図のように、
他の作業面から見るとどこでも右図のようになっていると思います。
(都合上、立方体は非表示にしています)
もしずれているようでしたら、「ブラウザ」で、どれがずれているのかを確認しながら
から「直線移動」を選択して、微調整します。

ここまでで、ブラウザはどのようになっていますか?
ちゃんどパート分けされていますでしょうか。
以下の図のようになっていれば(上下の順不同は構いませんが)良しとしましょう。

さて、次に「支柱」の部分を作成しましょう。
これは円を描いて「掃引」してやればすぐにできますね。
(もちろん「高さ」と「半径」を辺とする縦長の長方形を描いて「回転」させても構いません)
円を描くのは、最初に作った立方体の底面の位置です。
「正面図」で、Optionキー(WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして
カーソルのの高さを固定してから「上面図」で円を作りましょう。

     

「上面図」では、左図の位置、「正面図」では右図の位置に円を作成します。
ツールから「円」を選択し、「上面図」で、中心部分から半径分ドラッグして作成します。
大きさは適当で構いませんが、今回はグリッド4つ分を半径としました。
円を作成したら、次に「正面図」でツールの「掃引」を選択し、
「正面図」で高さ分だけ、下にドラッグしましょう。
今回は高さは60グリッド分です。
グリッド数が大きくなると目で数えるのは辛いですから、
「表示」メニューから「定規」を出して測定する、または
「表示」メニューから「図形コントローラ」を出して、グリッド数を数えてもらう、
などを有効に活用しましょう。

ここで作った「支柱」は、とくにパート分けする必要がないように思われますが、
のちに、「表面素材」を設定する時に「角」の質感と同じにする予定です。
「表面素材」は、パートに設定したものが、パートに含まれている形状に反映しますので、
「角」と一まとめにしておくのが良いでしょう。
名称は「支柱」として、「角パート」に入れておきましょう。

さて、最後に土台部分の作成です。
まずは、外側の大きさに当たる直方体を作り、
内側の大きさに当たる直方体で穴を開けます。

2つの直方体を作成しましょう。
今までと同様、Optionキー(WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして
カーソルの高さを固定してからで長方形を描き、で掃引します。
位置は、以下のようにしました。

これらの形状を、ひとつのパートにまとめておきましょう。
「ブラウザ」で、「コンクリートパート」を作成し、その中にこれらの形状を入れます。
形状の名前は、それぞれ「内側」「外側」としましょう。
内側の直方体は「ヘコミ」を表わす部分ですので、 もう一ひねりしてやらないといけません。
どうすれば「ヘコミ」になるかというと、
「内側」を選択した状態で、「特別」メニューから「形状の情報を見る」を選びます。
すると、

このようなウインドウが出てきます。
ここで、「穴」のところにチェックをいれれば選択された形状が穴になります。
これは極く簡単な方法であって、ある意味「手抜き」です。
より細かい応用ができるのは「疑似集合演算」と言うものを使うのですが、
それについては後日あらためて扱っていくようにします。

さて、コンクリートのワクができあがったので、
残るは、「土」の部分ですね。
これは単なる平面を置いておくだけでひとまずはいいでしょう。
次回で「表面材質」を使って土っぽくします。

この辺の高さに設定しましょう。
ポイントは「外側」の上面と「内側」の上面の間、です。
大きさとしては「内側」よりも一回り大きくしておけばよいでしょう。

さて、ここまでできれば形状の作成は完了です。
形状が縦長なので、「透視図」では見辛くなってるかと思います。
カメラの視点は、後に詳しく述べますが、
ちょっとだけ触れてみると、

「ズーム」にチェックが入っている状態で「+」マークの中央から上下にドラッグすると
視点が近寄ったり遠ざかったりします。
今回は遠ざけたいので、ちょうどいいところまで下にドラッグします。
次に「注視点」をチェックして「+」マークの中央から上下にドラッグすると
視点の高さが変えられます。
まずはこの2つを調節して作成した形状が「透視図」内におさまるようにしましょう。

表面素材の設定はまた次回に扱いますので、
ひとまずここでレンダリングしてみると、

このような感じになりましたか?
多少の大きさ、アングルの違いは構いませんが、
位置関係がずれているとかっこ悪くなってしまいますので、
今までの作成過程をもう一度振り返って、
どこがずれてしまったのかを確認しておきましょう。




今回は、実際に形状を作成しながら「ブラウザ」の役割というものを学んできました。
Shadeを扱うには「ブラウザ」が無くてはならない存在ですので、
今回扱ったパート分け、名称の変更、「ブラウザ」からの形状の選択など
一連の操作をしっかりと頭に入れておきましょう。
次回は、さらに何点か形状を追加しながら、
全体的に表面材質を変えていきます。