今回は、前回でもちょっと触れたカメラの設定について細かく見ていくことにしましょう。

Shadeで扱うカメラウインドウは、現実の35mmカメラの操作をシミュレートしています。
「透視図」で見た状態が、カメラから覗いている状態となりますが、
「透視図」の中に、白い部分と、灰色の部分があると思います。
白い部分が、カメラのフレーム部分にあたり、灰色の部分は、フレーム外にあたります。
ですから、レンダリングしたときには、白い部分に納まっているところしかレンダリングされません。
レンダリングするには、カメラの設定をうまく調整してやることが必要です。

 

カメラウインドウを操作するうえで覚えておかなくてはならない言葉がいくつかあります。
その中でもとくに重要なのは、「視点」と「注視点」です。
まずは、この二つを押さえておかなくては始まりません。

  視点 カメラのある位置
  注視点 カメラが注目している位置

基本的にカメラの設定を変えるときには、
これら「視点」「注視点」、および「ズーム」を調節して設定します。
次に「カメラウインドウ」を見てみましょう。

 

基本操作は、「ラジオボタン」から、
「視点」「注視点」「視点&注視点」「ズーム」
のいずれかを選んで、
「仮想ジョイスティック」を動かします。

仮想ジョイスティックの反応速度は
「速い」を押すと出てくるプルダウンから
「遅い」「速い」「最速」より選択できます。

カメラの設定を記憶しておくことも可能です。
その際には、記憶させるときには「M1」〜「M5」の
いずれかのボタンで記憶させ、
「R1」〜「R5」で呼び出すようにします。

また、カメラの設定は「編集メニュー」の
「取り消し」に対応していません。
カメラの設定を一つ前の設定に戻すには
「復帰」ボタンを押します。

一番下の「立方体」にチェックを入れておくと、
「仮想ジョイスティック」を中心からドラッグする時に
「透視図」に見やすいように立方体が表示されます。
この状態で、ちょっといじってみましょう。

「視点」を変更したいときには、
ラジオボタンの「視点」にチェックしておきます。
その後、「仮想ジョイスティック」の中心から上下左右にドラッグします。
すると、「注視点」は変わらずに、「視点」が移動していることがわかると思います。
このとき「正面図」や「側面図」などでは、直線が動いていますね。
この直線は「視点」と「注視点」を結んだものです。
この場合、「視点」を動かしているのですから、
直線の、動いている側が視点の位置となり、固定されているほうが注視点の位置となります。

同様に「注視点」にチェックを入れて「仮想ジョイスティック」を動かしてみて下さい。
今度は「視点」は固定された状態で「注視点」が動いているのがわかると思います。

「視点&注視点」にチェックを入れて「仮想ジョイスティック」を動かすと、
「視点」と「注視点」の位置関係は変わらずに、一緒に動くようになります。

なお、「仮想ジョイスティック」でドラッグしたときの「透視図」の反応が速すぎるときには
カメラウインドウ内の「速い」のところをクリックして「遅い」を選択すると良いでしょう。
逆に遅く感じるようでしたら「速い」または「最速」を選択すると良いでしょう。

 

次に「ズーム」にチェックを入れて「仮想ジョイスティック」を上下に動かしてみて下さい。
これは「注視点」を固定した状態で「視点」を前後に動かしていることになります。
つまり「視点」と「注視点」の距離が変わるわけですから
見えている形状が近くなったり遠くなったりしているわけですね。

また、「ズーム」を選択した状態で 「仮想ジョイスティック」を左右に動かすと、
レンズの焦点距離(画角)を変更できます。
右にドラッグすれば望遠レンズ、左にドラッグすれば広角レンズになります。
初期設定では50mmで、9mm〜720mmまで変更することができます。

 

実際の作業の上でカメラの設定をしていくと、
カメラの設定を保存したくなる場面がいくつも出てきます。
そういったときのために、しっかりとカメラの設定を記憶させておくことができます。
記憶させるためのボタンが、「M1」〜「M5」です。
お好みのカメラアングルができたらこのいずれかのボタンを押すことで記憶させ、
「R1」〜「R5」により、呼び出すことができます。
当然ですが、「M1」に記憶したものが「R1」で呼び出せます。

また、記憶させていなかったけど、一つ前の設定に戻したい、
と言うときには「復帰」を押します。

「図形ウインドウ」つまり作業するウインドウでカーソルを固定して
その点を「視点」や「注視点」として設定することも可能です。

三次元カーソルの固定方法は覚えていますか?

作業ウインドウで、Optionキー(WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックすれば固定できました。
これを使って、カーソルを固定した状態で、
カメラウインドウの「視点」を選択した状態で「セット」を押すと、
固定されたカーソルの位置が、「視点」の位置として設定されます。
同様に、カーソルを固定後、「注視点」をチェックして「セット」を押せば、
カーソル位置が「注視点」として設定されます。
「仮想ジョイスティック」による設定とあわせて、臨機応変に使っていきたい使い方ですね。
なお、当然のことながら、「視点」と「注視点」は、同じポイントには設定できません。

 

実際のカメラの操作では、被写体にピントを合わせ、ピントがはずれてボケている場合もあります。
その、ピントのあっている範囲からピントのボケている範囲までを被写界深度と言います。
実際のカメラでは、絞りを開くほど被写界深度は深くなり、
絞りを絞るほど被写界深度は浅くなります。
Shadeでもこの「ピントのボケ具合」を再現することができます。
ただし、「レンダリング方法」が「分散レイトレーシング」のときにのみ反映されます。
「レイトレーシング」等でレンダリングしても、設定した被写界深度は無視されます。

上述の「図形ウインドウ」での「視点」「注視点」の設定と同様の方法で、
「セット」ボタンではなく、「焦点」ボタンを使用します。
Optionキー(WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして三次元カーソルを固定し、
「焦点」ボタンを押すと、「焦点」の位置が決定されます。
被写界深度の深さは、「焦点」ボタンの右のスライダによって調節します。
以下の二つの画像を比較してみましょう。

被写界深度の設定はしていない
手前のグラスに焦点を合わせ、被写界深度は0.32
全体的にピンボケが無くすっきりしている
ピントがはずれているところがボケている

いかがですか?
上記のイメージはとりあえず用意したものということでオソマツではありますが、
ピンボケも効果的に使えると、イメージに高級感を与えることもできます。
ただ、レンダリング時間もかかることもあり、やたらめったら使うものではありませんので、
ここぞというときに効果的に使えると良いですね。




次回は、光源の設定を見ていきましょう。
ただし、前回扱った光源ではありません。
次回に扱うのは「無限遠光源」、つまり太陽光のようなものです。
これまた扱いによって良くも悪くもなりますので、しっかりと学んでいきましょう。