立命館慶祥中学校高等学校では,「地球市民」という授業を高等学校第1学年に1単位設定している。
この「地球市民」という授業は,その名の通り,私たちは地球という居住区に住む一市民であるということから発想して問題を捉えていこうというものである。地球の市民として考えていこうということを学ぶ,言わば実技教科である。
私たちは,江別市という市に在住する市民であり,北海道という地方自治体に住む道民であり,日本という国に住むメンバーの一人である。市町村や地域社会,また都道府県や国のレベルで捉えなければならないこと,解決すべき課題はそれぞれにある。ところが,近年,或いはこれ以降私たちが解決していかなければならない事柄には,地球全体で捉えなくてはならないことがとても多くある。「環境」「人権」「福祉」「民族」「紛争」といった問題は,一国の力では何ら解決の見通しの持てない大きな課題であり,地球全体に突きつけられた緊急の課題である。地球という一集団の一市民として問題を捉え,そのための智恵と知識を総動員して解決に当たろうとする姿勢が重視されなくてはならない。
こういった問題は常々議論され,問題とはなってきた。そのことから,教育のありかたも問われ,教育実践においてもその工夫を求められている。
知識注入型,詰め込み型の授業の有り様を捉え直し,問題解決能力といった学力をいかにつけていくかということが課題とされ,「総合的な学習」という授業の設定が議論され実践され始めてきている。日本各地の教育現場で創意工夫がなされ,実践が試されてきている。
本校は,開校6年目になるが,開校当初より「地球市民」を設置し開講している。ここでは,本校における地球市民講座の紹介と,2000年度に実践した教育内容を紹介することとする。
この地球市民での授業実践が,すなわち「情報教育」実践であるかという疑問を持たれる方が多いと思う。
地球市民という授業を通じて生徒に考えてもらい,進めてきた実践の多くは,現代社会における解決の進まない問題を取り上げて,どのように解決していこうとするかということを考えて実践してきたが,2000年度の取り組みでは,こういった問題を捉えていく上で,社会にあふれる様々な「情報」をどのように捉えるかということに焦点を絞って授業を展開した。従って,いわゆるパソコンであるとかインターネットであるとかそういったITや「情報機器」を駆使した教育という意味での実践とはなり得ていない。しかし,そこも含めて,「情報」をどう捉え,どのように活用することが,今後ともより身近になる情報機器の活用能力を高めることとなるのかという点で,この地球市民における情報活用能力の育成という側面を持つ授業実践を紹介したい。

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